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検査のないメインテナンスに驚愕

他院様で10年以上メインテナンスを行なってきたという患者様が「歯がぐらぐらして、歯ぐきが腫れて痛い」を主訴に来院され、口腔診査したところ、歯周精密検査の結果、重度に進行した歯周病と診断しました。
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この事自体は特に問題あるとは思いません。

当院通院中の患者様にもSPT(歯周サポート治療)継続中に歯周病が悪化したり、なかなか改善しない患者様は実際におられます。

問題は、患者様自身が歯周病の診断をされた事も精密検査をされた事もなかったという事です。

実際、検査結果を伝えた際には「そんなはずない!10年以上メインテナンスに通ってたのにそんな事言われた事ない」

と、怒っていらっしゃいました。

当然です。

患者様も診断結果はショックだったと思いますが、ある意味僕もショックでした。

これでは患者様に「メインテナンスはやっても意味がない」と思われても仕方がありません。

そもそも検査も診断もなかったとしたらメインテナンスを行っていた根拠は何処にあるのでしょうか?

歯科衛生士に丸投げして、歯石を取って歯磨き指導だけを行うという、形だけのパフォーマンスとしてのメインテナンスでは全く意味が無いどころか、ここまでの病気の進行を見過ごす事もなかったと思います。

実際どのようなメインテナンスの【内容】だったか尋ねると、そういう事でした。

歯周精密検査は【歯ぐきに問題がある】人程痛がって嫌がります。

「他の歯医者ではこんな痛い検査毎回されなかったから検査しないで欲しい」と仰る患者様も時々いらっしゃる程です。

ひどい方だと歯周病の治療はいらないから、この歯だけを治して欲しいと要望される方もおられるくらいです。

その場合、「僕に出来ることは無さそうです」と即転院をお勧めしています。
#この部分に関しては噛み付いてくる同業者もいます
#保険医ならやれよ的な
#刺さらねー(^^)

検査、診断のプロセスを経て初めて治療方針が決まります。これを嫌だから痛いからと拒絶し、あなたの言う通りの要望に答えた結果、今回の方のように将来的に多くの歯を失う結果になりかねません。

どちらがあなたにとって本当に【優しい】治療なのかということを一度考えてみて欲しいです。
#このブログを読んで下さってる方の中そんな人がいない事は承知しております

※今回使用した用語
メインテナンスと歯周サポート治療は似ていますがニュアンスが少し違います。今回は敢えて使い分けていますのでご理解ください。

by tsukidate-dc | 2022-01-27 23:26 | Dr.勇樹 | Trackback | Comments(0)  

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