本日は青森県歯科医師会主催の第43回会員研修発表会に参加して参りました。
今回は臨床症例を採択し発表したのでご報告します。
9月に提出した事前抄録はこちらです。
1.重度歯周病患者に歯牙移植を行い
Br の支台とした症例
築舘勇樹
(八戸歯科医師会)
初診の口腔内診査結果からAgPと診断したが、現在 AgP は分類から消失した為、新国際基準分類により広汎型、StageII,GradeC と診断した。さらに、バイオフィルムや歯石の付着状況と組織破壊との程度は妥当だと判断し、徹底した動機付けと口腔衛生指導の継続が不可欠であると判断した。本症例では歯周外科終了時に自然脱落や抜歯に伴い広汎型StageIV,GradeBへ診断を変更しており、同時に全顎的なリコンストラクションを必要とした症例である。その際、歯列から逸脱した歯を移植し Brの支台として歯周補綴を行い、良好な経過が得られたので報告する。
以上。
【歯牙移植に思う事】
インプラントがリコンストラクションを行う上での選択肢として定着している現在において、自家歯牙移植を採択する歯科医は少ない。ほとんど皆無と言っても過言ではないだろう。
当然である。
何故ならベネフィットよりリスクが明らかに上回るからだ。
まず、規格化されたインプラントとは異なり、技術と経験値に享受する部分が多い。
つまり、インプラントの何倍も難しい。
それに対し、特別な【材料】を使用するわけではない為、利益はほぼ見込めない。
※使用するのは抜歯判定となった自分の歯
その上、症例の条件は限られ成功率が低い。
【歯科医側】からすると、あまりにリスクが上回るのだ。
他方、【患者サイド】から評価するとベネフィットは多い。
費用がほとんどかからず、捨てるはずの抜去歯が別の場所で復活し、Brの土台として機能させる事が可能となるのだから。
となると、最も懸念するリスクは成功率ということになる。
例えば、成功率50%ならどうだろう。
歯牙移植という選択肢を与えられても迷うには十分な要素かと思う。
ただ、この成功率に関しては、技術と経験で少しずつ上方修正が可能だと考えている。
正確な数は不明だが記憶によると、これまで30症例弱の移植を行なってきて、明らかに技術的な失敗といえるのは1症例のみ。
来院されなくなり経過を追えていない症例が7〜8症例、メインテナンスに応じず、口腔衛生不良による歯周病の悪化による脱落が2〜3例あるが、残りは機能している。
世間一般的に言われている成功率とは異なる結果である。
インプラントの治療の台頭により、どうしても移植を必要とするケースはほとんどなく、ニッチな治療法である事は間違いない。
が、
0ではない。
今回の症例のように患者さんが保険適応内での治療を希望されていて、尚且つ歯列から著しく逸脱している事で抜歯を余儀なくされた場合等、条件によっては十分に治療の選択肢となり得る。
この分野は誰も見向きもしない為、完全にブルーオーシャン化しているが、今後もコツコツと経験を積んで、成功率をさらに上げ、自分の専売特許にしていくつもりだ。
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