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MIHのご案内

約一年半ぶりに勉強会(HERZ会)に参加して来ました。

勉強というより、こんな僕のために心配して下さった先生方へ一言御礼が言いたくて参加した次第です。

はれものに触るようにせず、誘ってくれた優しさが嬉しかったです。


さて、今日は【MIHの案内】です。

【MIHとは】
Moler Incisor Hypomineralizationと称されるエナメル質形成不全のことを指します。

近年日本でも罹患患者の増加が確認されていますが認知度は低いようです。第一大臼歯と切歯に限局し、変色や実質欠損を伴う以外に知覚過敏を生じることもあります。
#近年増加が確認されただけで、MIHが近年急に増えたとは考えにくい

既知の遺伝性エナメル質形成不全症やエナメル質形成不全とは異なるものであり、その発症についてはまだ確証が得られていません。

日本でのMIH罹患率は19.8%で、およそ5人に1人が罹患していると判明しました。
(日本小児歯科学会による調査)


【親御様に伝えたい事】
(歯医者からお子様がMIHと診断された時)

歯質の石灰化が不十分である為、う蝕の進行が速く、さらに表面が粗造である為に清掃性が困難で、細菌性プラークが形成されやすくなっています。ご家庭でのケアが重要なのはもちろんですが、定期的に私達のサポートが必要不可欠です。歯ブラシや歯磨剤の選定も必要となります。組織が脆弱である事から、歯の破折や実質欠損、咬耗により常に危険に晒されている状態ですので、状況に合わせた早期対応や、成長に合わせた指導等、暫間治療の為の定期検診が重要課題となります。

※ここでいう暫間治療とは最終的な被せ物を入れる治療までに歯列や咬合関係を維持することを目的とした治療のことです。


このように、通常の虫歯治療とは少し異なるアプローチが必要となります。口腔管理は成長に応じて継続的に行う必要がある為、治療が長期にわたる事をご理解いただけるとありがたいです。

時々歯医者っぽい事もお話する築舘でした。

現場からは以上です。





by tsukidate-dc | 2021-03-24 23:44 | Dr.勇樹 | Trackback | Comments(0)  

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