7月11日 闘病日記
久しぶりに優頼に逢いに行く事になった。
悩んで、悩んで、悩んで、悩んだ挙句に決意した放射線再照射治療。
かなりリスクは高い上に根治する訳ではない。
とは云え、GW以来、日を増すごとに目に見えて悪化している。
このまま指を咥えて、悪化していく症状をただ見ているわけにはいかない。
必ず助けたい。
正直、僕は医療を信じていないフシがあった為、はじめこそ反対したが、何度も話し合い、リスクはあっても再照射する事に同意した。
久しぶりに逢うといっても、1ヶ月程しか経っていないが、ママから「会ったらショック受けると思うけど、顔に出さないでね」と言われた。
それ程この短期間で症状は進んでしまっていたのだ。
覚悟して会いに行くしかなかった。
今回僕はずっと優頼に付き添っているママの代わりに病院に一泊して看病する。
コロナ禍での看病は親ですら交代するだけで難儀した。
勝手がわからないので必死にメモを読みこんだ。
特に苦労したのはトイレと食事だった。
夕食には90分もかかった。
咀嚼力と嚥下力が極端に減少していた。
要するに噛めないし飲み込めないのだ。
嚥下食(プリンやババロアのような食感)ですらこの時間を要する。
(これだけ残してもここまで90分かかった)
本当は本人が泣きたいくらい辛いはず。
僕に出来る事は、少しでも笑顔を増やす事くらいなので、常に笑顔で励ますくらいだ。
トイレも侮れない。
優頼が左手でお腹ポンポンしたらすぐにトイレの合図だ。簡易トイレを準備したら、点滴の管を避けながら慎重に身体を起こし、抱き抱えて座らせる。座せたら太腿の間から検尿カップを押し込みカップで受ける。
全身に力が入らない為、座っているだけでも支えが必要となる。
終わったら身体を支えたままトイレットペーパーで拭き取り、尿の入ったカップを取り出す(これが難しい)。
パンツとズボンを履かせ、また慎重に抱き抱えてベットに寝かせる。
出した尿の量を測り、シートに記入する。尿を廃棄したらカップを処分して、簡易トイレを元の位置に戻しに行く。
これが一回の小便に必要な一連の流れだ。
もちろん大便はもっと大変である。
因みに、おちんちんを拭いている時に適当なおちんちんの歌を歌うと優頼が笑うので歌うのだが、周りの大人からは白い目で見られる。
よく出来たトイレである
食事が終わると薬を飲ませて歯磨きして、嚥下のリハビリを行う。
意外と忙しいのだ。
今優頼はYouTubeを見て笑っている。
そして僕はそれを撮影している。
週末なので、検査もなくゆっくり出来る日にもかかわらず、たった1日でもヘトヘトになってしまった。
こんな事を毎日毎日何週間もやっているママには本当に頭が下がる。
わからない事だらけでLINEしまくったのでちっとも休ませてあげられなかった。
俺ってば、ただの役立たずでしかない(汗)
そんな俺でも別れ際、優頼はいつも泣いてくれる。
優頼が俺の子供になってくれたことに感謝しかない。