今日は久しぶりに質問コーナーです。
患者さんから頂く質問の中に「補助清掃器具(シングルタフテッドブラシ(一本ブラシ)や、歯間ブラシ、デンタルフロス、トゥースピック)等、どれを使ったら良いのか分からない」というご質問があります。
まず、理解しておかなければならないのは、患者さんご自身が自分の状況に合った歯ブラシを選ぶのは至難の技だという事。
いや、ほぼ不可能だと思います。
何故なら、その都度採取する歯周精密検査から最もその状態に適した歯ブラシを選定する必要があるからです。
その状況を的確に判断し、もっとも有効なアドバイスが出来るのはやはり我々専門家(歯科医師や歯科衛生士)だと思います。
今日は補助清掃に焦点を絞り、学術的背景も交えて20年歯周治療に携わってきた僕の経験則から、出来るだけ解りやすく、フランクに解説したいと思います。
僕の中で最強の補助ブラシは何と言ってもシングルタフテッドブラシです。中でもタンデックスソロが断トツでオススメです。当院の患者さんにはお馴染みですが、来院時に我々が毎回歯磨きしているあのブラシです。もし、あなたがタンデックスソロを使いこなせたならば、磨けない場所はありません。特に歯間ブラシが入らないような狭い歯間や最後臼歯遠心面(一番奥の歯の奥の面)に関しては抜群の清掃性を有します。
ただし、欠点があります。それは、超がつくほど難易度が高いという事です。難しすぎて使用しなくなるケースもありました。ですから余程の必要性(重度の歯周病など)がなければ、専門家の指導なしに予防としてこのブラシで全ての歯を磨くというのは現実的ではないかも知れません。
次にデンタルフロスについて。
使用している方の割合は多いのですが、フロスの取り扱いには注意を要します。
まず、炎症のある部位には使用しない方が良いと思います。逆に炎症(歯肉炎)がない部位で使用するのは特に問題はないかと思われます。
ですが、皆さん自分の口のどこに炎症があって、どこに炎症がないのか把握しておられますか?
歯科医院でそのへんの指導をしっかり受けている方は、資料等で把握できると思います。
ですが、歯と歯の間が狭かったり、きつい方はフロスを通す時に【パチン】と勢いよく歯肉(歯と歯ぐきの境目)に当たったりしていませんか?
それは結構危険で、接合上皮といって細菌の侵入を防御する第一関門のような組織を壊している可能性があります。さらに歯の(隣接面)表面に細菌が付着していた場合は、フロスに細菌を付着させた状態で接合上皮を剥がすと同時に細菌を中に押し込んでしまっているかも知れません。だとしたらむしろ逆効果ですよね。
普段フロスを使用している場所に炎症があるとしたら、もしかするとその原因は、フロスの使用によるものかも知れないという事です。
学術的背景から最も推奨できるのはやはりIDブラシ(歯間ブラシ)という事になりますが、こちらも多少の配慮が必要です。
まずは適切なサイズ選びが重要です。狭すぎて歯間ブラシが入り難い所に無理矢理押し込むと、細菌性プラークを逆に押し込んでしまうかも知れませんし、緩すぎると効果は得られません。適度な抵抗力が得られる状態で、歯間ブラシの毛の部分の長さを活かして3回くらいのストロークに留めると良いと思います。
同じ部位をしつこくシャカシャカと通してしまうと、歯肉が下がって歯の根が見えている場所では砂時計状欠損といって歯間ブラシの形に歯の根が擦り減ってしまう事がありますので使用方法については歯医者さんで詳しく指導してもらうと良いでしょう。
そして、歯間ブラシの毛の部分の形によっても効果は異なります。先細りのテーパータイプではなく、ストレートタイプがオススメです。

他にもトゥースピックやデンタルスティック等、様々あるのですが、今回は代表的なものだけピックアップしてみました。
最後にサロンメンバーの板橋区のKさん、ご質問有り難う御座いました。
参考になれば、幸いです!
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