僕がPMTCを行わない理由を考察するにあたって、まずはPMTCの起源を探ってみましょう。
1970年代、スウェーデンのカールスタッドという小さな町で、後に世界の歯科治療を転換させる大きな取り組みが行われました。
それまでの学童の予防といえば、学校の集団歯磨き指導が一般的でしたが、子供は自分では上手に磨けません。
そこで、当時のスウェーデン・イェテボリ大学歯周病科ヤン・リンデ教授と医局員だったペール・アクセルソン先生は、「歯科衛生士に定期的に磨いてもらえば、将来的に虫歯や歯周病は予防出来るのではないか?」という仮説の下、プロジェクトをスタートさせました。
スタートから数年後、それまでは1年間に数本ずつ増えていた虫歯や歯肉炎はほとんど見られなくなりました。
さて、このカールスタッドの研究は、予防の原点として日本の歯科医師や歯科衛生士にも有名ですが、本当に正しく伝わったのでしょうか?
前回、ブログでも取り上げてましたが、日本で紹介されているPMTCの説明を要約すると、
専門の、あるいは専用の、あるいは特殊な医療機器で、(回転器具の事です)
専門家(歯科医師、歯科衛生士)が、
フッ素含有のペーストを用いて、歯の汚れを完璧に除去する。
要するに、日本では「歯科衛生士が磨いてあげる事が大切」と理解され、ゴリゴリと振動する回転器具で磨く手法をこぞって取り入れ、これをPMTCと呼ぶようになりました。
アクセルソン博士の定義を要約すると
「予防歯科看護師、歯科衛生士、歯科医師のような特別な訓練を受けた専門家により、器具とフッ化物入りペーストを用いて、すべての歯面の歯肉縁上および縁下1〜3mmのプラークを機械的に選択除去する方法」
となっています。
いったい何が違うの?
全く一緒じゃないか!
と思いますよね?
続きはまた今度!!