前回ブログで取り上げたメカニズムベースについて解説します。
日本の歯科医が大好きな思考です。つまり基礎研究重視です。
大事なのは分かります。
僕も決して軽視はしていません。メカニズムが解明される事で新たな治療法が確立される可能性があるからです。
ただ、何度も申しますがバランスが悪い👎
日本の歯科医の中にはメカニズムベースのみで物事を考えている場合が少なくありません。
実験室の中で解明された現象が臨床(ヒト)で再現されなければ意味がないのにです。
そうすると基礎研究者はこう言います
「ヒトという個体差(個人差)が大きいものを対象としたものなど研究にならない」
しかしどうでしょう。
僕等が日々臨床で診ているのはその「個体差(個人差)の大きいヒト」なのです。
当然、同じ治療を行なってもヒトにより反応は異なりますが、「一般的な傾向」は存在します。
ある治療が重症患者の9割に功を奏したとしたら、その治療は効果が高いといえるのではないでしょうか?
そして、これにより治療の第一選択となりうるでしょう。
結局、個体差があったとしても「一般論」は言えるわけで、「エビデンスレベルが高い」という事はいかに「一般的に言える」という事を示すのです。
(ほぼ関野先生の言葉を引用しています)
毎日同じような治療を繰り返している影響なのか、残り1割の難しい症例に没頭し、思考の大部分を費やす臨床家が非常に多いと感じます。
実際、そういった難しい症例を治癒させた時の快感が忘れられないのか症例発表ではそんなのばっかりです。
それも良いけど、9割のヒトをエビデンスベースで救う事が最優先ではないだろうか?と僕は考えてしまいます。
「いや、やった上でなんだよ!」
と、反論されそうですが、それが真実でない事を知っています。
最後に歯周領域での具体例を紹介します。
メカニズムベースの考え方
「プロービング(プローブという器具を用いた歯周病検査)は組織を破壊するだろうからやってはいけない」
エビデンスベースの考え方
「プロービングをしても組織に非可逆的な傷害を起こさない事が実験で確認された」
同じトピックでも真逆の結論に至っています。
さて、どちらが正しいのでしょう。
確実なのは、エビデンスベースが【世界標準】ということです。
そうするとまた「世界標準=正しい」とはならないだろうとメカニズムベース思考の人からクレームが入りそうです。
それを説き伏せるには我々臨床家が何をもって治療のゴールとするのかをエビデンスベースの集積から総合的に解説するのが良いかも知れません。
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