八戸歯科医師会定例会参加。
来月から学校歯科検診が始まります。今日はその説明会でした。
さて、今日も物議を醸しそうな僕の勝手な個人的意見を述べたいと思います。
実は僕は個人的には歯科検診なんて、無くなれば良いと思っています。
もちろん、理由は様々あります。
ネガティブな理由としては
その①
検診基準や診断は統一されているようで、国によっても、個人差にしてもバラつきが多すぎる。
(歯科医療に対する不信感に繋がるのでは?と勝手に懸念しています)
その②
無意味な検査項目がある。
例えば、歯肉炎。見た目だけで、診断しなければならないのですが、これは神の領域。心眼で見える仙人のような人か超能力者でもなければ診断不可能です。まれに、炎症が目視できる場合もありますが、診断の精度としては極めて低いと言わざるを得ません。特に近年問題視されている、遺伝性が関連する歯周炎を問題にすると言うのであれば、これはほぼ肉眼で確認するのは不可能です。というか、それがこの歯周炎の特徴でもあります。
限りなく100%に近い診断エラーを叩き出す項目をわざわざ検診する意味がどこにあるのか、僕には理解しかねます。
歯肉の状況を把握するためにはプロービングは不可欠ですので。
その③
その②の続きになるかも知れませんが、検診から歯肉炎の診査項目を無くせと言っているではなく、診査するならちゃんとプロービングするべきだと言っています。歯科疾患実態調査からも明らかなように、世の中は硬組織疾患から軟組織疾患の重要性が増して来ているのに、いつまでも時代遅れの診査をしている場合ではないと思っています。
おそらくここで問題となってくるのは、統一プローブの選定と、プロービング慣れしている歯科医師と慣れていない歯科医師の熟練度の違いによる診断誤差だと思います。
ただ、これもプローブの判読に関する研究データを参考に議論、選定すれば問題無いですし、熟練度に関しては、訓練すれば良いだけです。訓練というと抵抗勢力が現れそうですが、それ(診査、診断)が自分達の仕事なので、やるべきだと僕は考えています。
ポジティブな理由として
その①歯科医と歯科衛生士がきちんと国民に口腔健康を維持する大切さと重要性を伝える事ができれば、検診などしなくとも、患者自ら歯科医院に足を運ぶ事が当たり前になる世の中に出来ると信じています。
その②
もし、検診がリサーチも兼ねているとしたら、それこそナンセンスな話で、地方自治体やら、歯科医師会が主体となって、各歯科医院でデータ収集したものを集めてデータ分析し、市民にも公開するのが最も賢明な方法だと考えます。町村別にするのも面白いですね。
好き勝手に言いたい放題しておりますが、僕の発想は理想論な為、実現は難しいと思います。頭の硬くなっている方々を動かすのは容易ではありません。
では、変える為に僕自身にそこまで行動する覚悟があるかと言えば、覚悟も時間もありません。検診に対する思考をブログ用に公開しただけです。考えるだけなら誰にでも出来ますが、行動に移すかがカギです。今の僕にはその気がありません。目の前の患者の事でいっぱいいっぱいです。ですが、警鐘だけは鳴らし続け、機運が高まったらいずれ動くかも知れません。
いったい誰の為に。
何の為に。
大枠の目的を見失わないようにしないとですね!
現行法が誕生した時、そこには携わった人達の行動、悩み、覚悟があったはずです。その事には素直に敬意を払いたいと思います。