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5-ALA

投稿が遅れました。2日越しの投稿です。

少し前から話題になっていた5-ALAについて、遂に一昨日文献として発表されたので、僕なりの見解を述べようと思います。


新型コロナウイルスの治療薬として期待が高まる
5-ALAですが実は僕もかなり期待しています。

ですが、、、

これまでもコラーゲンやコンドロイチン等、本来より人の体に備わっている機能についてはほとんどのものが経口投与しても意味がない事はこのブログでも解説してきました。

車内にガソリンをぶちまけたところで車が走らないのと同じ感じです。

今回は僕なりにわかりやすく5-ALAについて解説し、今後について考察してみたいと思います。


【そもそも5-ALAとは?】
5-アミノレブリン酸の事で、植物や動物が普遍的に作り出しているアミノ酸の一種。

【人体における5-ALAの役割とは?】
あらゆる生命活動の鍵となるヘムの元になる物質で、5-ALAが8個合わさるとヘムになります。

【ヘムとは?】
例えば、酸素を全身に行き渡らせる赤血球のヘモグロビンにも含まれており、酸素とヘムが周囲の環境応じて結合したり離れたりする事で酸素は肺から全身に届けられます。
さらにヘムは食物と酸素からエネルギーを取り出すという生命活動の根本を担う「呼吸鎖複合体」の中心的物質です。つまり5-ALAがなければ、私達はエネルギーを得る事が出来ず、活動出来なくなるといういう事です。

【産業化された5-ALA】
20世紀後半 広島大学とコスモ石油の研究チームは光合成微生物である「Rhodobacter-sphaeroides」の旺盛な5-ALA生産能力に着目した。数種類あるRSの中からより優れた産生能力を有するものを繰り返し選定し、ついに産業レベルでの製造に至った。

味噌造、酒造り、米造り等、日本のお家芸ともいえる微生物発酵法は遺伝子組み換えを使用せず、だれもが安心して利用できる技術として現在はSBIファーマーが医薬品、健康食品等に使用され販売されています。

SBIファーマーが扱う5-ALAには2種類あります。

医薬品には、5-ALA塩酸塩
健康食品には、5-ALAリン酸塩

それぞれ医薬品GMP、食品GMPと呼ばれる適正製造基準をクリアし、健康食品は2010年、医薬品は2013年から販売されています。

では、経口摂取した5-ALAはどのようにして体内でヘムを産生するのでしょうか?

上記したように生体が持つ物質は、ただ飲んだだけでは意味をなさない事が多いのですが、5-ALAは2つの不思議な偶然が重なる事で、ヘムへ変化し、本来の機能を発揮するというのです。

【2つの偶然とは】
(以下、SBIファーマー記事を添付)

1つめの「偶然」は、体内で作られる5-ALAが、奇妙
な方法でヘムへと組み立てられる点です。5-ALAは
ミトコンドリアという細胞内の小器官で生まれます
が、生まれた5-ALAは一度ミトコンドリアの外に吐
き出されます。外でほぼ最終形まで組み立てられた
後、なぜか再びミトコンドリアへ取り込まれ、最後
のステップである鉄(鉄原子)の結合によりヘムが
完成します(上図)。なぜこのような一見無駄な動
きをするのかはっきりと分かっていませんが、はる
か太古、ミトコンドリアは我々に「寄生」する別の
生物であったものが、進化の過程で単独で生きる術
を失い、我々の中の小器官へと変化したことと関係
しているのではと考えられています。我々の祖先
が、エネルギーを大量に作る能力を持つミトコンド
リアを使役するために、その能力の一部を奪い取っ
てしまった結果、ヘムを組み立てる途中のプロセス
が「我々側」、つまりミトコンドリアの外で行われ
るという奇妙なルートを辿るのかもしれません。

2つめの「偶然」は、5-ALAの大きさです。通常、5-
ALAのような水に溶けやすい物質は細胞を通り抜け
ることができないのですが、5-ALAはタンパク質
(食物)が分解されてできるアミノ酸が二つ連なっ
た構造 (ジペプチドと呼ばれます)とちょうど同じ
くらいの大きさ、構造であるため、細胞表面にある
ジペプチド用の入り口(トランスポーターと呼ばれ
ます)を通って細胞内に入り込むことができるので

この二つの「偶然」により、飲んで取り込まれた5-
ALAは体内で作られた5-ALAと細胞内/ミトコンドリ
ア外で混じりあい、ヘムを構成することができま
す。この「偶然」が果たして本当に偶然なのか、そ
れとも必然、つまり進化の上でこの性質が生存競争
においてなんらかの理由で有用であったためなのか
は、神のみぞ知るといったところでしょうか。いず
れにせよ、我々は5-ALAを口から摂取することによ
りその恩恵を受けることができるように設計されて
いるのです。

5-ALA作用メカニズム】

※以降は動物実験を中心とした5-アミノレブリン酸
(5-ALA)の学術研究成果を紹介するものであり、
人間への疾患治癒効果や健康食品の効能、効果を謳
うものではありません。5-ALAの医学的効果につい
ては決して自己判断せず、必ずかかりつけの医師に
ご相談ください。


①ミトコンドリア活性化、増殖
上述したように、ミトコンドリアは5-ALAを生み出
す細胞内の小器官ですが、そのもっとも大きな役割
は、食物と酸素からエネルギーを作ることです。他
ならぬ「呼吸鎖複合体」はミトコンドリアの中に存
在しており、ミトコンドリアで作られたヘムはその
場で呼吸鎖複合体の活性中心として取り込まれま
す。

我々は、実験により5-ALAを摂取した動物のミトコ
ンドリアの呼吸鎖複合体を調べ、驚くべきことにそ
の活性、つまりエネルギーを生み出す力が向上して
いることを発見しました。呼吸鎖複合体は食物
由来のエネルギーを一度電気エネルギーに変換した
のち、アデノシン三リン酸(ATP)という物質を生み
出す働きを持っています。このATPは、生命のあら
ゆる活動のエネルギー源として使われます。その様
子がまるで経済活動におけるお金のようであること
から、「生体のエネルギー通貨」とも呼ばれるATP
ですが、5-ALAはこのATPを増やす作用があった
です。

別の動物実験において、5-ALAを飲むことでミトコンドリアそのものが細胞内で増殖することも発見しました。ミトコンドリアが増えることで5-ALAが増えるのではなく、その逆の現象が起きるのは不思議にも思えますが、我々はその後ろにあるメカニズムを探っています。

ミトコンドリアは我々にとって不可欠な存在である
一方、異常をきたすことで生体に有害な物質を発す
る諸刃の剣でもあります。多くの疾患の原因を辿る
とミトコンドリアの機能不全、異常な活動に行きつ
くとも言われていることから、我々は5-ALAのミト
コンドリア活性、増殖効果が疾患の治療に応用でき
ないか、日々研究を重ねています。

②ガン細胞の検出と治療
5-ALAからのヘム生成は、最後に中心部に鉄が結合
することで完了します。ヘムの一歩手前、鉄がはま
り込む前の物質はプロトポルフィリンIX(PpIX)と呼ばれますが、この物質にはユニークな特徴があります。ある波長の青い光を当てると、赤い光を跳ね返す性質を持つのです。
普通の細胞にDNAの突然変異がおき、あるとき無限
に増殖する性質を持ってしまったのがいわゆるがん
細胞ですが、がん細胞はヘムを作る仕組みにも異常
をきたしていることが多々観察されます。大量の5-
ALAを取り込んだがん細胞は正常にヘムを作ること
ができず、一歩手前のPpIXをため込むことが知られ
ています。そのため、がん細胞を移植した動物に
5-ALAを取り込ませ、しばらくしてから青い光を当
てると、普通の細胞ではヘムになっている5-ALAが
がん細胞ではPpIXで止まってしまうことから、がん
だけを赤く光らせることができると考えられまし
た。

この性質は比較的古くから知られ、実際に確認され
ており、目では見つけられないような小さながんを
見つける方法(光力学診断; PDD)として、多くの
研究者が研究を進めてきました。
一方で、PpIXは光を浴びると活性酸素という細胞に
とって猛毒となる物質を生成することも知られてい
ます。これを応用して、がんだけを選択的に狙い撃
ちして死滅させる方法として、光力学的療法(PDT)が注目されています。
最近では、光が多くの種類のがん細胞が存在する体
内の深部まで届かないという弱点を克服するため、
超音波や放射線などさまざまな方法でPpIXから活性
酸素を放出させる取り組みを行っており、従来の技
術とはまったく異なるがん治療法として確立できる
ことを期待しています。

③ヘムの分解による抗酸化、免疫調整
多彩な機能を持つヘムですが、本来存在すべきでは
ないところに存在してしまうと、活性酸素を生み出
すことでかえって生体にとって有毒な存在となる
とが知られています。この厄介な代物を制御するた
めに生体が生み出したのが、ヘムオキシゲナーゼ-1
(HO-1)と呼ばれる酵素です。HO-1は、過剰なヘムが作られるとそれらを壊し、生体内のヘムの量を一定に保ちますが、興味深いことに、ヘムが壊れてできるビリルビン、一酸化炭素という物質自体が活性酸素を消す働きを持ちますそのため、HO-1はヘムによるものに限らず活性酸素を検知すると大量に作り出され、ヘムを分解することで生体の防御反応を担います。

5-ALAを大量に投与した動物において、そのほとん
どはヘムのまま体内に留まることはありません。
我々は、血中に取り込まれた5-ALAの一部がHO-1に
よりヘムを経由してすぐにビリルビンになっている
ことを発見しました。このことに着目し、5-ALA
がHO-1を誘導し、ビリルビン、一酸化炭素を生み
出すことにより強力な抗酸化作用(活性酸素を消す
作用)を持つことを示しました。さらに、5-ALA
はただ抗酸化作用を持つだけではなく、免疫細胞の
中でHO-1を上げることで、本来は異物を攻撃するべ
き免疫細胞が暴走し、生体に害を与えるような過剰
な反応を抑える作用も持つことを発見しました 
多くの企業がHO-1を標的に薬剤を開発しています。
当社はその中でも5-ALAの作用を応用して、HO-1に
ヘムを供給しながら誘導するというユニークな観点
から唯一無二の薬剤候補として研究開発を行ってお
ります。

という事でした。

終わりに
ミトコンドリアについては不思議と浪漫と魅力があるため、僕も魅了されている一人です。

それだけに現在未知の部分も多く100%信頼できるかどうかは別としても、安全面において他の治療薬やワクチンと比較すると俄然、期待値は高くなります。

ワインや納豆にも豊富に含まれている物質なので、特に新たに取り入れようとは考えていませんが、今後のコロナ対策として、ワクチンに抵抗がある方などは参考にしてはいかがでしょうか?
#納豆やワインなら長年、人より摂取している自負有
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同じ大豆発酵でも、納豆や醤油には含まれていて味噌には含まれていない点などは面白いですね。

by tsukidate-dc | 2021-02-10 23:55 | Dr.勇樹 | Trackback | Comments(0)  

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